[開催報告] 第1回メタバースラウンジ 発展セミナー開催
東京大学バーチャルリアリティ教育研究センターは,去る7月11日(火)に東京大学本郷キャンパスの工学部2号館において「メタバースラウンジ 発展セミナー」をハイブリッドで開催しました.発展セミナーには協賛企業の皆様など対面会場での参加者は40名以上,オンラインでの参加者は約50名の方にご参加いただきました.6月に開催されたキックオフイベント後に協賛企業に加わった2社を含めて,意見交換が行われました.お暑い中ご参加いただきました皆様,誠にありがとうございました.
セミナーでは,東京大学VRセンター/情報基盤センターの雨宮教授からメタバースに関する概要や,定義や歴史の解説,現在VRセンターで進められている研究についての紹介がありました.アバタやVR技術を活用した講義の事例や,バーチャルオムニバス講義に関する研究,VR漫才体験や小動物の手術体験を通じた能力向上に関する研究など,体験合成装置としてのVR技術とコミュニケーション円滑化のメタバースの活用などが紹介されました.一般社団法人メタバース推進協議会 市川達也さまより,2022年の世界経済フォーラムの資料から,Metaverse Initiativeの討議の中で取り上げられたトレンドの事例や国内外の取組状況などを紹介していただきました.これまではConsumerに焦点が当たる事が多かったメタバースがEnterpriseでの活用に関心が集まっていることなどが紹介されました.東京大学VRセンター長の相澤教授より,ウォークスルー動画の360度映像に基づく実世界メタバースに関する取り組みとして,MovieMapに関する最新の研究成果についての紹介がありました.現実とデジタルをつなぐ「空気感のある」メタバースの構築と,交差点での方向転換映像の合成やアバタを実写映像の中で違和感なく歩かせるためのセグメンテーションについて解説されました.
セミナー終了後は,講師や大学教職員と協賛企業との懇談会が農学部のレストランにて開催されました.終了後のアンケートでは「大変勉強になりました」「参考にしたい内容もあり大変良かった」「VRとメタバースの違いや歴史などについて説明いただいた後に、国内外の事例紹介や現状の研究事例などを共有していただいたので、話が入ってきやすく非常に勉強になりました。みなさんの講演での説明がわかりやすく、これまでなんとなく捉えていたメタバースについて理解が深まったと思います。」などの意見が寄せられました.メタバースは今後ビジネスとして必要不可欠な技術となり得るのかといった点も継続して関連分野から講師を呼び,議論や意見交換を進めていきたいと思います.
第1回メタバースラウンジ発展セミナー
1. 開催日時:2023年 7月 11 日(木)16:00~18:00
2. プログラム
- 東京大学バーチャルリアリティ教育研究センター 教授 雨宮智浩氏 「メタバース総説」
- 一般社団法人メタバース推進協議会 市川達也氏 「国内外の事例紹介」
- 東京大学バーチャルリアリティ教育研究センター センター長/教授 相澤清晴氏 「360度映像によるメタバース」
メタバースラウンジ協賛事業とは
メタバースの情報提供や取り組みに関する情報共有を行い、メタバースを積極的に活用した未来の社会の在り方について議論するための場として、東京大学バーチャルリアリティ教育研究センターに設立された交流や議論の場です.未来のメタバース社会の在り方を研究者や有識者、学生と議論していく協賛企業を随時募集しています.協賛企業の皆様は今回のような発展セミナーを含めて,さまざまなイベントに参加することができます.
詳しくはこちら:募集案内